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Excel の Copilot でできること・使い方|数式・集計・グラフ・編集モードと、使えない時の原因

更新日: 2026-10-27執筆・監修: 谷知 紀英(緑グリーン株式会社 代表取締役)

Excel の Copilot は、数式の作成・複数シートの集計・グラフやピボットテーブルの作成・条件付き書式・外れ値の発見などを、日本語の指示で行えます。2026年の Excel には「編集許可」「計画」「Chat のみ」の3つのモードがあり、ブックを直接書き換えるかどうかを選べます。使えないときの原因で最も多いのがライセンスと管理者の設定(アプリ内のラベルが「Copilot Chat (Basic)」だと Excel 内では使えない)で、次が計算方法の設定とファイルの状態です。

「Excel で Copilot を押したら何ができるのか」「ボタンが出ないのはなぜか」「どこまで任せて大丈夫か」。企業研修で Excel の Copilot を扱うと、この3つが決まって出ます。この記事では、Microsoft の公式サポート情報をもとに、できること・モードの違い・依頼文の例・使えない原因を、日常的に Excel を使う業務部門の方向けにまとめます。

※本記事は2026年10月時点の Microsoft サポート「Excel の Copilot を使い始める」「Excel の Copilot に関するよくある質問」および COPILOT 関数の廃止告知に基づきます。機能は随時変わるため、お使いの画面と異なる場合は公式サイトをご確認ください。

Excel の Copilot でできること

  • 数式とデータの生成:「地域ごとの売上合計の列を追加して」のように頼むと、適切な関数を選んで数式を入れます。複数のシートにまたがる集計もできます。
  • グラフ・ピボットテーブル・図形の作成:元データにリンクした状態で作られるので、データを直せばグラフも自動で追随します。
  • 分析情報の発見:傾向・外れ値・要約を、グラフやピボットテーブルの形で提示します。「売上が急に落ちた月はどこ?」といった質問に向いています。
  • 強調表示・並べ替え・フィルター:「未入金の行を黄色にして上に並べて」のような整形を一度に行います。
  • シートの編集と書式:シートの追加・名前変更・削除、セルの値や範囲の変更、条件付き書式・データの入力規則・罫線・スタイルの適用。
  • 他のブックからの取り込み:OneDrive・SharePoint・パソコン上の別の Excel ファイルから必要なデータを持ってきて使えます。
  • Web 検索:引用元つきで Web の情報を取り込みます(為替や統計の最新値など)。
  • 繰り返し作業のスキル化:毎月同じ手順で行う処理を「カスタムスキル」として定義し、次回からは短い指示だけで再実行できます。

3つのモード|編集許可・計画・Chat のみ

以前「エージェント モード」と呼ばれていた機能は、現在は通常の Copilot に統合され、次の3つのモードとして使い分けます。

モードCopilot がすること向いている場面
編集許可(既定)指示に基づいてブックを直接書き換える。データ整形やシートの統合など複数ステップの作業に対応手順が明確で、結果をすぐ確認できる作業
計画先に手順の計画を提示し、確認してから実行する影響範囲が広い作業、初めて頼む種類の作業
Chat のみブックを変更せず、分析結果や説明だけを返すデータの傾向を知りたい、数式の意味を教えてほしい

※対応環境(2026年10月時点): Windows・Mac・Web 版は3モードすべて、iPad は Chat と計画、iPhone と Android は Chat のみ。編集の機能は、計算方法が「自動」のときにだけ動く仕様です。

使い方と依頼文の例

リボンの「Copilot」ボタンを押すと、右側に作業ウィンドウが開きます。指示は「何を・どの範囲に・どう出すか」を短い文に分けて書くのがコツです。

  1. 数式を作る:「D列に、B列の単価とC列の数量を掛けた金額を入れて。千円単位で四捨五入して」
  2. 集計する:「シート『4月』『5月』『6月』の売上を担当者ごとに合計して、新しいシート『第1四半期』に担当者別の表を作って」
  3. グラフにする:「月別売上の推移を折れ線グラフにして、前年を点線で重ねて」
  4. 整形する:「空白行を削除して、日付の表示を『2026/04/01』形式にそろえて、見出し行を固定して」
  5. 異常を探す:「経費の明細で、同じ日に同じ金額が2回以上ある行を強調して一覧にして」

うまくいく依頼の共通点は3つです。①データを「テーブル」(Ctrl+T)にして見出し行をはっきりさせる、②1回の依頼は1つの目的にする、③結果の数式を1か所だけ手で検算する。Copilot は入力したデータの意味までは知らないので、「単価」「数量」のような見出しの付け方がそのまま精度を左右します。

Excel の Copilot が使えない・ボタンが出ない7つの原因

  1. アプリ内のラベルが「Copilot Chat (Basic)」:この表示の環境では Excel 内の Copilot は使えません。「Microsoft 365 Copilot (Basic)」なら有料アドオンがなくても標準アクセスで使え、「Microsoft 365 Copilot (Premium)」はアドオンありの優先アクセスです。どのラベルになるかは、契約の内容と管理者側のテナント設定で決まります。
  2. 管理者がテナントで無効にしている:Copilot Chat の管理設定がそのまま Excel にも適用されます。情報システム部門に確認します。
  3. アプリの更新が止まっている:Microsoft 365 Apps の更新チャネルが古いとボタンが出ません。「ファイル → アカウント → 更新オプション」で更新します。
  4. 計算方法が「手動」:編集機能は計算方法が「自動」のときだけ動きます。リボンの「数式」→「計算方法の設定」で「自動」に戻します。
  5. ファイルが SharePoint でチェックアウト中:「サポートされていないファイルの状態」と出ます。チェックインして開き直します。チェックアウト必須の設定なら Web 版の Excel で開いて使います。
  6. ファイル形式が Strict Open XML:通常の .xlsx 形式で保存し直します。
  7. COPILOT 関数を使っている:セル内の =COPILOT() は2026年9月14日に廃止され、再計算で #NAME? になります。作業ウィンドウの Copilot に置き換えます。

Copilot Chat と Microsoft 365 Copilot の違い(Excel の場合)

Copilot Chat(Microsoft 365 に同梱)Microsoft 365 Copilot(有料アドオン)
Excel の画面内の Copilotラベルが「Copilot Chat (Basic)」の環境では使えない。「Microsoft 365 Copilot (Basic)」なら標準アクセスで使える(混雑時は待つことがある)使える(優先アクセス。編集許可・計画・Chat のみ)
Excel ファイルの分析Chat 画面にアップロードして質問・要約ブックを開いたまま数式・グラフ・整形まで実行
社内データの参照アップロードしたファイルと Web が中心メール・会議・SharePoint など Microsoft 365 全体を横断
料金追加費用なし1ユーザー 月額4,000〜5,000円前後(年契約・税抜。2026年10月時点の公開情報)

「まず同梱の Copilot で試して、優先アクセスや社内データの横断が要る人にだけアドオンを配る」という段階的な導入のほうが現実的です。ツール全体の比べ方は法人向け生成AIツール比較にまとめています。Microsoft 365 Copilot を配らない部門には、Excel ファイルを扱える国産の法人向け生成AI(つカエルAIなど)を併用して使い分けている会社もあります。

Excel の作業を「自動化」まで進めるには

Excel の Copilot は「開いているブックの中」での作業が得意です。毎月の集計を自動で回したい、集計結果をメールで配りたい、といった段階になると、次の3つが候補になります。

  • カスタムスキル:Excel の Copilot に毎月の手順を覚えさせて、短い指示で再実行する。まずはここから始めるのがいちばんの近道です。
  • Copilot Cowork:「SharePoint の台帳を集計して Excel にまとめ、報告メールの下書きを作る」のような複数工程を代行させる。スケジュール実行も可能。詳しくはCopilot Cowork とは?できること・使い方。
  • Copilot Studio・Power Automate:「申請が届いたら台帳に記録」のように、条件で動く仕組みにする。Copilot Studio でエージェントを作る手順で使い分けを解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q. Excel に Copilot のボタンが出ません。なぜですか?
A. 最も多い原因はライセンスと管理者の設定です。Excel のアプリ内に表示されるラベルで見分けられます。「Copilot Chat (Basic)」なら Excel 内の Copilot は使えません。「Microsoft 365 Copilot (Basic)」なら有料アドオンがなくても標準アクセスで使えます(混雑時は待たされることがあります)。「Microsoft 365 Copilot (Premium)」はアドオンありの優先アクセスです。どのラベルになるかは契約と管理者のテナント設定で決まるため、ボタンが出ないときは情報システム部門にラベルと設定を確認してください。次に多い原因は、アプリの更新が止まっていることです。
Q. Copilot に Excel を編集させたら、元のデータが壊れませんか?
A. 編集許可モードでは Copilot がブックを直接書き換えますが、通常の操作と同じく「元に戻す」が効き、OneDrive/SharePoint 上のファイルならバージョン履歴から前の状態に戻せます。心配な作業は「計画」モードで手順を先に確認するか、「Chat のみ」モードで分析だけ頼むと安全です。重要な元データはコピーしたシートで試すのが実務的です。
Q. Excel の COPILOT 関数(=COPILOT())は使えますか?
A. 使えません。セルの中で AI を呼び出す COPILOT 関数はプレビューのまま一般提供されず、2026年9月14日に廃止されました。それ以降は再計算すると #NAME? エラーになります(計算済みの値は残ります)。Microsoft は代わりに Copilot ウィンドウ(サイドの作業ウィンドウ)で要約・分類・情報取得を行うことを案内しています。
Q. 日本語で指示しても大丈夫ですか?
A. 日本語の指示に対応しています。ただし Microsoft は、学習データが英語中心のため言語によって精度に差が出ることがあると案内しています。指示は「何を・どの範囲に・どう出すか」を短い文で分けて書くと、日本語でも安定します。例:「B列の売上をC列の地域ごとに合計して、新しいシートに表を作って」。
Q. Copilot Chat(無償版)でも Excel のデータ分析はできますか?
A. Copilot Chat の画面に Excel ファイルをアップロードして、内容の要約や質問はできます。Excel の画面の中で数式を入れたりグラフを作ったりする「Excel の Copilot」は、アプリ内のラベルが「Microsoft 365 Copilot (Basic)」以上の人が使えます。ラベルが「Copilot Chat (Basic)」の環境では使えないので、ファイルを渡して分析結果の文章をもらう用途は Copilot Chat の画面で行います。
Q. 大きな表でも Copilot は動きますか?
A. Copilot が一度に扱える範囲には限りがあり、数万行の表で複雑な処理を頼むと時間がかかったり途中で止まったりすることがあります。集計の前にピボットテーブルで要約する、対象の列だけを別シートに切り出す、処理を「並べ替え→集計→グラフ」のように分けて頼む、といった工夫で安定します。